中国5県の求人倍率、5カ月連続上昇 8月 :日本経済新聞
厚生労働省が1日に発表した8月の有効求人倍率(季節調整値)は、中国5県全体の数値が0.01ポイント上昇し1.07倍となった。上昇は5カ月連続。公共工事の伸びや堅調な住宅販売などで建設業の求人が上向いているほか、輸出産業の生産拡大で製造業の雇用環境が改善する流れが続いている。ただ、原燃料の上昇を背景にした雇用抑制も一部で起きている。
********** 引用ここまで **********
最近のテレビニュースを見ると消費税増税に絡めて「給料が上がらない」事だけを声高にクローズアップして報道されていますが、できるだけ利益を上げようとする企業にとっては短期的に見た場合、給料を上げることにメリットはあまりないとは思います。しかし製品を増産しても、それだけ売れ行きが伸びる目安があるなら製造速度を上げるために人を雇う求人募集をする事に躊躇しないでしょう。
上記の中国地方における求人募集倍率の上昇記事はその事を指しているのだと思います。
もちろん一般論として長期的に見た場合、給料を上げない事は、それだけ他の企業に良い人材を取られる可能性が上がるわけですからデメリットとなりますが、現在の日本の教育状況や労働環境の中では、たとえそれほど給料を上げなくても、少なくとも義務教育を受けた、あるいは高等教育を受けた人間を雇用できる状況ですから、企業側としては現状大幅な給料アップを考えている所は少ないでしょう。
また給料の上昇は、新しい人材の獲得だけではなく既存の人材を確保しておくという意味合いでも重要ではありますが、現状の日本の雇用資源の流動性の低さを考えると、現在の給料金額をよほど下げるような事をしない限り、上げなくても心配ないという判断をしている企業が多いのではないかと思われます。
本来、景況感に応じて給料の上昇を望むのであれば、給料の上下動に応じて雇用も動くのも容認しなければ社会がうまく機能しないと思うのですが、マスコミの報道などを見ていると、「解雇は絶対悪&給料を下げるのは絶対悪」という「世界中、つまりはるかに物価が低く安い給料で人を雇える企業達と競争しているという現実がわかっていないよね」とか「そのお金はどこから来ると思っているの?財源の事を全く考えていないよね」的な突っ込みを入れたくなる、いわゆる“左翼的脳内お花畑言動”が目立ちます。その結果がどうなるかは、起業ではないですが先の民主党政権が良い例示を示してくれましたね。
もちろん、だからといって、労働者をまったく保護せずに完全にフリーにした場合は、立場的に労働者が弱くなりすぎるのも事実です。これには単純に「社会主義が良い」とか「自由主義じゃなきゃダメ」など原理主義的に対応するのでは十分ではありません。世界との競争という“現実を見ながら”状況に応じてさじ加減を変えるような細やかな対応が必要なのです。
[関連記事・関連情報]
コメントを残す